協会の主張・決議・要望

【09.02.05】厚労省予算案

社会保障削減路線との決別を

医療構造改革路線は踏襲
 〇九年度厚労省予算案によると、社会保障関係費は二十四兆六千億円で〇八年度と比べて三兆円(一四%)増となった。自然増分を毎年二千二百億円削減する路線は国民の強い批判を前に二百三十億円に圧縮せざるを得なかった。しかし削減の旗を降ろしたわけではない。年金特別会計の「埋蔵金」から千三百七十億円、道路特定財源から六百億円を回すという一時的な穴埋め策でごまかしたに過ぎない。予算増の圧倒的部分二兆四千億円を占めるのは年金である。そのうち二兆二千億円は国民に対する約束であった基礎年金国庫負担率の二分の一への引き上げによるものである。

狙いは消費税増税
 「埋蔵金」はあくまで一時的な財源に過ぎない。次年度の二千二百億円削減は別枠の財源が捻出されない限り継続されることになる。しかもこうした一時しのぎの先には三年後の消費税増税に恒久財源を期待するという重大な問題点がある。麻生内閣には大企業・大資産家向け減税、年間五兆円の防衛費、外需に頼るもろい経済政策にメスを入れる意思も能力もない。

社会保障拡充は内需を 拡大する景気対策
 医療では深刻な医師不足などの対策として四百八十八億円を計上(〇八年度の一・三倍)。救急・産科・へき地医療を担う医師への手当て四十九億円を新規創設、地域医療の推進にも五百億円をつけた(〇八年度の一・四倍)。介護では事業所への報酬を三%引き上げたが、これでは職員の待遇改善に回るかどうかは疑問である。
急速な景気悪化から国民の健康を守るには給付金のバラまきでなく、医療介護分野で実効性のある経済対策が必要である。〇八年度の厚生労働白書には、社会保障分野の生産波及効果は全産業平均よりも高く、雇用誘発効果については主要産業よりも高いことが指摘されている。社会保障の拡充は国民の命と健康を守るだけでなく、個人消費を高め新たな雇用創設につながる景気対策である。
医師や介護職員不足など焦眉の課題に目を配れば抑制路線の撤回が必要である。それは同時に冷え切った外需頼みから内需主導に経済を立て直すことにもなる。行き詰った社会保障削減路線に決別し、財政を抜本的に見直して、〇二年以来の削られた一兆六千億円を復活させる政治が求められている。

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