協会の主張・決議・要望

【07.10.05】自治体キャラバン

市町村を住民の防波堤に

 七月参院選の結果は、国会冒頭、施政方針演説直後の首相辞任表明という、前代未聞の事態を招いたが、小泉・安倍両内閣が国民生活に残した爪痕はあまりにも深く、その後継者に改善を期待できる展望はない。
マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」が反響を呼んでいる。TV映画「ER」などからは想像すらできない、アメリカ医療の惨憺たる実情を告発した作品である。恐るべきは、それを対岸の火事とみなせないことである。
 すでに多年にわたる医療費削減政策が日本の医療を蝕みつづけ、「医療崩壊」の活字が連日のように新聞紙上に躍っている。しかもことは医療にとどまらない。本来、所得格差を是正すべき社会保障の諸制度が、逆に格差を拡大助長する方向に機能しつつある。
「障害者自立支援法」然り、介護保険「改定」然り。いずれも格差社会の底辺に喘ぐ人びとに救いの手をさしのべるのではなく、その人びとをさらなる苦しみに追いやる「棄民政策」そのものである。
 加えて「ネット・カフェ難民」に象徴される、労働者を使い捨てにして顧みない雇用政策、給付対象の特定できない「宙に浮いた年金」問題、なけなしの年金にまで課税する一方で、大企業には減税を追加する不公平税制、消費税率引上げの画策など、国民の生活不安は募るばかりである。
 前号所報の通り、自治体キャラバンが今月十六日(火)から十九日(金)までの四日間にわたって行われる。二十八年の歴史を誇るこの行動は、地域住民の切実な医療・福祉要求を、ささやかながら着実に実現してきた。
 直近五年間の実績を見ても、就学前または六歳未満の医療費無料化、福祉給付金の自動払い制、介護保険の保険料・利用料減免、出産育児一時金の受領委任払い制などを実施する市町村の割合が次第に拡大し、その中のいくつかは、国を動かしてその制度化に向かわせている。国民健康保険の短期保険証・資格証明書の発行を、他府県に比べて低く抑えているのも、地道な努力の成果に他ならない。
 今年一月、愛知社保協が発行した「知ってトクするパンフ」の爆発的な反響を想起されたい。その背景には、過酷な負担に耐えがたい思いを抱きながらも沈黙しつづける弱者たちの悲痛な姿がある。
 自治体を、国の悪政から住民を守る防波堤とするために、会員各位が万障繰り合わせて最寄のキャラバンに参加し、その影響力を存分に発揮されることを切望するものである。

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