協会の主張・決議・要望

【07.04.15】歯科診療報酬

国民の協力をえて安全・安心の歯科医療を

 前回改定はマイナスを前提とし、通知も遅く、改定後もレセプト記載の変更等が多々あり、戸惑いと不安感を以って臨んだ。現状は辛く厳しかった。
 改定の影響は予想以上の点数減に止まらず、特に指導料等の算定要件として義務付けられた患者さんへの文書交付で大きなストレスを感じた。確かに文書提供は患者さんとの情報共有のためには有効で、必要に応じて積極的に活用すべき事は理解できる。ところが、文書の作成料は評価されないままであるから、交付文書に費やされる時間と内容を思うと気力も萎え、却って診療時の集中力を欠き口頭での説明も疎かになる傾向も実感した。
 さらに、歯周疾患の継続管理の制度が改変されて「歯科疾患継続指導料」が導入されたが、再度の処置の費用が包括され、かつ歯科疾患全ての再発の治療をも包括する規定は臨床実態とはそぐわず、継続管理を躊躇せざるを得ない情況となった。歯周疾患の特性を考慮して継続管理中に生ずる病態変化の実態に対応可能な診療報酬を是非にも望みたい。
 また、歯周疾患処置、う蝕処置等頻度の高い基本的処置の算定制限と包括も日常的に大きな疑問を持つが、特にう蝕処置の算定制限は理解に苦しむものである。
 従来から歯科医療費は圧縮され続け、前回の医療経済実態調査では減収でありながらも人件費の圧縮により収支差を確保していた実態が表れていた。このままでは健全な歯科医療、医院経営の礎となる歯科従事者、即ち歯科技工士、歯科衛生士、歯科助手の確保もままならぬばかりか、歯科界の将来への展望が閉ざされてしまう。
 新規技術や感染防止対策に必要な点数等も導入されておらず、逆に保険診療の範囲がますます狭められている中、歯科医療の質の低下が危惧され、患者さんである国民にも大きなマイナスを与えてしまう事が懸念される。
 中医協では昨年改定について検証部会で調査を行っており、来年4月の診療報酬改定に向けて既に歯科医学会等への意見聴取を始めている。学会には臨床現場での混迷状態を是非強く主張していただくことを願う。
 広く国民が安心して受診できるためには、歯科医療機関の健全経営維持が図れる土壌の再構築が必須である。歯科医療機関が国民の歯科医療要求に応えて十分に役割を発揮でき、患者は経済的不安なく適切な保険診療が受けられる、そういう環境作りが求められる。
 昨年来のリハビリ算定日数上限撤廃の運動に学び、関係諸学会や団体に働きかけるとともに、広く国民に現状の社会保険制度の実態と問題点を知らせ協力を得ることが必要となろう。

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