あいち医師・歯科医師九条の会

【10.10.25】「あいち医師・歯科医師九条の会」が本秀紀氏を迎えてつどい

どうなる憲法、どうする憲法〜安保改定50年と憲法九条を中心に〜

   「あいち医師・歯科医師九条の会」は第10回憲法のつどいを10月2日(土)午後に名古屋市中区の長円寺会館で開き、医師・歯科医師、市民ら61人が参加した。
 山内一征代表世話人が挨拶に立ち、憲法をめぐっては、菅内閣は憲法審査会を発動させて憲法改悪を大連立で進めようとしているほか、日米同盟の強化もはかっており、自民党時代の政治への回帰ともいえる状況があると指摘、情勢を学習して九条を守る運動の強化をよびかけた。
 続いて、「どうなる憲法、どうする憲法〜安保改定50年と憲法九条を中心に〜」と題して本秀紀氏(名古屋大学大学院法学研究科教授、愛知憲法会議事務局長)が講演した。
 自らを歌う憲法学者とよぶ本氏はギターを手に登壇、SMAPの「世界に1つだけの花」を歌い上げ、「十三条の幸福追求権は1人1人のかけがえのない個性を大切にすることをうたっており、これがあってこそ九条、二十五条も輝く」と述べ、講演本題に入った。
 はじめに、日本には憲法に基づく法体系と、安保条約に基づく法体系との、「2つの法体系」が50年にわたって存在し、安保体制に起因する極端な対米従属が、日米構造協議=新自由主義改革や格差社会拡大などをもたらし、日本国憲法の実現を妨げていると述べた。

安保条約の変遷

 日米安保条約について、1952年の旧安保条約で、占領時以来の全土基地方式と沖縄を切り離して占領継続をする枠組みができあがり、1960年の現行安保で「基地許与」「共同防衛」という国際的には集団的自衛権の行使にあたる規定が設けられたことを紹介した。
 安保条約は、その後アメリカのベトナム戦争敗北・ドルショック・オイルショックなどを経て、1978年・1997年の新旧「ガイドライン」などを転機に地理的拡大・自衛隊の役割拡大が図られてきた。そしてさらに海賊対処での武器使用基準の拡張や恒久派兵法の制定なども目指されているとした。

国会議員の動向

 憲法をめぐる国会議員の動向について、7月の参院選挙の当選議員アンケートでは「九条改憲」に「賛成」が48%(9年衆院選は34%)、集団的自衛権行使禁止の政府解釈を「見直すべき」が49%であるなど、改憲派が盛り返しており、憲法審査会の始動の動きとあわせて明文改憲の危険性が高まっていると述べた。また、民主党自体も昨年の総選挙マニフェストで「足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改める」と改憲を明記しており、基本方向は自民党と共通であるとした。

民主党政権下の9条をめぐる動き…危険な「新安保懇」

 民主党政権下での9条をめぐる動きについて、「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書(8月27日)に注意を促した。これは、「専守防衛」を旨とした従来の「基盤的防衛力構想」を見直し、(1)弾道ミサイル・巡航ミサイル攻撃、(2)特殊部隊・テロ・サイバー攻撃、(3)周辺海・空域および離島・島嶼の安全確保、(4)海外の邦人救出、(5)日本周辺の有事などの「複合事態」を想定し「多機能・弾力的・実効性を有する防衛力」の整備、ミサイル迎撃体制(集団的自衛権の行使)、武器輸出3原則の見直し、非核3原則の見直し、海外派兵恒久法制定など、多岐にわたる防衛構想となっており、年末までに「日米安保共同宣言」「新防衛計画大綱」策定と、自民党政権以来の政策の拡大・進化が図られていると述べた。
 自衛隊については、民主党政権下でも「海賊対処」でソマリア沖に海外派兵中であり、ジブチには国外初となる基地まで建設している。このほか、ハイチ地震復興支援のPKOとしても派兵されている現状がある。
 本氏は、着実に防衛政策見直しを進めるために「国会改革」として衆参の比例定数削減や内閣法制局長官の答弁禁止が実行されようとしており、「国民主権」を掲げる民主党政権への国民世論のプレッシャーが必要と述べた。

軍事同盟のない世界へ

 最後に、軍事同盟をもつ国は、1960年の53%から2009年には16%に減っており、現在実質的に機能している軍事同盟はNATO、日米、米韓、米豪しかなく、米国内でも「冷戦の遺物」「沖縄に海兵隊は要らない」(下院歳出委員長)という発言が出るほどで、「軍事同盟のない世界」へ向けて安保条約廃棄、米軍基地撤去を求める世論の盛り上げをよびかけた。

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