あいち医師・歯科医師九条の会

【09.10.05】「被爆者原爆症認定訴訟と憲法九条」「あいち医師・歯科医師九条の会」がつどい

「被爆者原爆症認定訴訟と憲法九条」
  樽井直樹弁護士が講演

 講師の樽井直樹弁護士  「あいち医師・歯科医師九条の会」は、九月十二日(土)、「被爆者原爆症認定訴訟と憲法九条」のテーマで第八回憲法のつどいを開催、協会伏見会議室には医師・歯科医師、市民ら四十二人が参加した。
 講師の樽井直樹氏(原爆症認定集団訴訟愛知弁護団事務局長)は、八月六日に麻生首相と被爆者団体との間で交わされた同訴訟の終結に関する確認書の意義について、各地の原爆症認定訴訟の十九連勝を背景に、(1)高齢化が進み一刻も早い裁判の全面解決が求められていた原告の救済の道が開かれたこと、(2)国が敗訴原告の救済を念頭に置いた基金を設立すること、(3)厚労大臣との定期協議の場が設けられること――をあげた。
 また、各地で原爆症認定を求めて集団提訴した意義について、「放射線起因性の原因確率論」「要医療性」などの認定基準が壁となり、二十六万人の被爆者の中で原爆症と認定された人は、わずか二千二百人しかいない不合理を告発し、認定基準を拡大させる闘いだったとのべた。愛知では四人の被爆者が提訴し、その中で遠距離での被爆や原爆投下後の入市被爆でも深刻な急性症状が起きていたことを認めさせ、直爆のみに注目した基準を改めさせ、遠距離・内部被曝の人も原爆症と認めさせることができたと述べた。そして、被爆者に現に生じたことを解明する努力を払い続けた科学者や、原爆症認定の意見書作成に献身的に尽力した医師などの役割にも触れ、裁判を通じて被爆がもたらした病像を明らかにし、原因確率論を廃した審査基準に変えるに至った意義を強調した。
 樽井氏は、集団訴訟は終結するが、認定申請しても認定が決まっていない八千人近い人や、二十四万人の被爆者を救済するために国家補償として根幹から改める被爆者援護法の改正も課題となると述べた。
 また、核廃絶の課題との関係で、一連の集団訴訟では核兵器の残虐性、非人道性を訴えてきたこと、訴訟終結にあたっての官房長官談話で「唯一の被爆国として原子爆弾の惨禍が再び繰り返されることのないよう、核兵器の廃絶に向けて主導的役割を果た」す決意が述べられていることを挙げて、日本政府の核政策を問い直す課題もあると述べた。そして、憲法九条は、唯一の被爆国として二度と戦争をしてはいけないという規範性を持っているが、そこには広島・長崎・ビキニの被爆経験が大いに貢献していると述べた。

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